武器輸出の解禁が招く防衛産業の崩壊

執筆者: 2012年1月24日
タグ: 自衛隊 日本

 政府は、昨年末、武器輸出3原則の見直しを発表した。「米国以外の国とも、防衛装備品の国際共同開発・生産を可能にして、先端技術の獲得と防衛産業基盤を維持・高度化するとともに、平和貢献・国際協力に伴う装備品の供与を可能にする」というものだ。いずれも、目的外使用や第3国移転については、日本政府の事前の了解を前提としている。

 日本の武器は、市場が自衛隊に限られ、多品種少量生産で価格が高い。海外に売れば安くなると言うが、ことはそう単純ではない。武器は、自動車のように海外で下請け生産ができないことから、日本のそれは、製造コストが高く、加えて実戦で性能が試されていないため、もともと国際競争力がない。また、武器を大量に購入する国は「紛争当事国」の類だから、どのみち輸出解禁の対象外だ。

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