ビンラディン、フセインの次はアサンジ? 英米がおびえる虚像

執筆者:国末憲人 2012年8月28日
エリア: ヨーロッパ

「死せる孔明生ける仲達を走らす」という三国志の故事がある。諸葛孔明の病死によって撤退しようとした蜀の軍を、魏の司馬仲達が追撃する。ところが、蜀軍は生前の孔明の言いつけを守り、敢然と反撃に出た。仲達は「孔明はまだ死んでいない」と慌てふためいて退却。仲達が恐れたのは孔明そのものでなく、孔明の虚像だった。


内部告発サイト「ウィキリークス」の創始者ジュリアン・アサンジ氏がロンドンのエクアドル大使館に立てこもった事件を見聞きして、この物語を思い出してしまった。アサンジ氏が孔明ほどの大物かどうかはともかく、勝手に恐れおののき、大騒ぎする米英は、孔明の亡霊に踊らされる仲達の姿と重なって見える。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
国末憲人 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長を経て、現在は朝日新聞ヨーロッパ総局長。著書に『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)など多数。新著に『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)がある。
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