「暴動」が急増する南アフリカ

執筆者:白戸圭一 2012年10月11日
タグ: 日本
エリア: アフリカ

 南アフリカのプラチナ鉱山で起きた労働争議の政治経済的な意味について、平野さんが2度にわたって解説してくれた。2つの記事にある通り、民主化から18年が経過した南アでは、国民間の分断が顕在化している。この点に関連して、近年の南アで増加が著しいPublic Violenceについて記しておきたい。

 
  Public Violenceは適切な邦訳を見つけるのが困難な言葉だが、敢えて言えば「大衆騒擾」や「暴動」が実態に近いかもしれない。45人の犠牲者を出したプラチナ鉱山の労働争議以外にも、南アでは09年ごろからPublic Violenceが頻発し、多数の犠牲者が出ているのである。

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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