政治をゼロから考える (12)

「票を投じる」とはどういうことか

執筆者:宇野重規 2012年12月15日
エリア: アジア

質問 「票を投じるとは、何を意味するのですか」

 

 衆院選の投票日が明日に迫りました。

「あなたの一票が日本の未来を決める」というセリフをよく耳にしますが、はたして一票を投じることにいかなる意味があるのでしょうか。そもそも、票を入れるとはどういうことなのでしょうか。あまりに基本的な問いですが、よく考えてみると、実はなかなか複雑な問題が含まれています。

 この問題を考えるにあたって、思い起こされるのは橋下徹大阪市長の次の言葉です。「有権者が選んだ人間に決定権を与える。それが選挙だと思います」「選挙では国民に大きな方向性を示して訴える。ある種の白紙委任なんですよ」(朝日新聞2012年2月12日)。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
宇野重規(うのしげき) 1967年生れ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。著書に『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書)、共編著に『希望学[1]』『希望学[4]』(ともに東京大学出版会)などがある。
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