二〇〇四年四月の日本人人質事件の際、「アル=ジャジーラ政局」と一部で呼ばれたほど、カタールの衛星テレビ「ジャジーラ(Al-Jazeera)」の名は日本でも定着した(アラビア語のAlは英語のTheに相当するため本稿では省略する)。アラブ世界のメディアと政治的言説に大きな変化を迫った点でジャジーラの功績は大きい。しかし、その可能性とともに限界をすでに露呈し、変質を始めている。ジャジーラの登場に触発され、各国で衛星テレビ局が続々と誕生した。こうした構造変動の中で、相対化されつつあるということだろう。
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