パレスチナの新たな指導者が決まり、イスラエルでもガザからの撤退に道筋がついた。滞っていた中東和平は前進するのか。 年明け早々の一月九日に行なわれたパレスチナ自治政府長官(議長)選挙では、予想通りPLO(パレスチナ解放機構)のマフムード・アッバス(通称アブ・マーゼン)議長が当選し、「アラファト後」の体制づくりが本格的に始動した。イスラエルでもシャロン首相による連立工作が実を結び、ガザ地区のユダヤ人入植地から撤退する態勢が整い始めた。「和平達成の好機」と期待されている二〇〇五年はその意味で好スタートを切った。だが、和平への動きが現実化するにつれ、それぞれの社会の内部対立が顕在化し始めている。双方の指導者は自らの足元を本当に“和平モード”に切り替えることができるのだろうか。指導者の力量とともに、国際社会の関与のあり方も問われている。
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