知識人の限界に挑んだ“ネオコンの始祖”ポドレッツ

執筆者:会田弘継 2005年7月号
エリア: 北米

「世界で一番長い旅路は、ブルックリンからマンハッタンへの旅路である」  この一節を目にした時の衝撃はいまでも忘れられない。1970年代のはじめだった。日本ではまだ大学紛争の余波が続き、アメリカもベトナム戦争、学生運動、人種問題などで揺れ続けていた。  ノーマン・ポドレッツ(1930-)は、気鋭の文芸評論家として、当時の日本に紹介されていた。  そのポドレッツの二作目。自叙伝に託した時代評ともいえる秀作『メイキング・イット(成功する)』(1967)の書き出しだ。  ニューヨークの下町ブルックリンから、ブルックリン大橋でほんの数百メートル。イーストリバーを渡れば、アメリカ繁栄の象徴であるマンハッタン島に入る。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
会田弘継 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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