「老朋友」マンデラ氏死去と中国の追悼ムード

執筆者:野嶋剛 2013年12月9日
エリア: アフリカ アジア

 南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領が死去した。その日、たまたま北京にいたのだが、あまりの騒ぎに驚かされた。習近平国家主席が「中国国民はマンデラ氏の貢献を忘れない」と弔電を打ち、新聞はことごとくマンデラの写真をトップに掲げて、半分ぐらいのページを使ってマンデラ特集を組んでいた。

 確かにマンデラはアフリカの偉大な政治家だが、遠く離れた中国がなぜ国を挙げて「老朋友・曼德拉」(古い友達・マンデラ)に対する追悼ムードに包まれるのか。そこには、中国伝統の「シンパは徹底的に大事にする」という、共産主義運動における統一戦線的な行動原理を見ることができる。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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