南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領が死去した。その日、たまたま北京にいたのだが、あまりの騒ぎに驚かされた。習近平国家主席が「中国国民はマンデラ氏の貢献を忘れない」と弔電を打ち、新聞はことごとくマンデラの写真をトップに掲げて、半分ぐらいのページを使ってマンデラ特集を組んでいた。
確かにマンデラはアフリカの偉大な政治家だが、遠く離れた中国がなぜ国を挙げて「老朋友・曼德拉」(古い友達・マンデラ)に対する追悼ムードに包まれるのか。そこには、中国伝統の「シンパは徹底的に大事にする」という、共産主義運動における統一戦線的な行動原理を見ることができる。
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