口惜しさをにじませた者あれば、胸高まり紅潮した者も――。小泉人事を分析すれば、今後の生き残り競争の形も見え始める。「昨年の人事は『郵政民営化実現内閣』としたが、今回は『改革続行内閣』だ。新鮮さ、実力、重厚さという全体のバランスを考えた」 十月三十一日、首相官邸。午後九時三十分から始まった小泉純一郎首相(六三)の記者会見で最も緊張していたのは、安倍晋三官房長官(五一=森派)だった。人目をひくほど紅潮した顔、真一文字に結んだままの口元には気負いがみてとれる。隣で会見する小泉首相の姿に、来年九月の自分を重ね合わせていたのかもしれない。

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