情報政治学者の高瀬淳一名古屋外国語大学教授は近著で、日本の政治は財政事情の悪化を背景に「利益分配政治」から「不利益分配政治」の時代に入りつつあり、これに伴い政治家の手法も、田中角栄元首相が開発した利益分配を武器にする「角栄型」から、小泉純一郎首相が確立した「巧妙な言葉遣い」と「劇的な政治決断」を武器にする「小泉型」に転換していかざるを得ないだろうと指摘し、次のように予言している。「私は、これからの首相は、どの政党の出身者であっても、この〈小泉型政治手法〉を踏襲するか、少なくとも意識せざるを得ないと思っている。〈小泉型〉は政界の変人がもたらした一時の突然変異ではない。角栄後の政治リーダーの何人もが『ミニ角栄』をめざしたように、『ミニ小泉』を志向する政治家も、おそらくつぎつぎと現れることだろう」(『武器としての〈言葉政治〉』講談社選書メチエ)
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