「目の前にニンジンをぶらさげられる」とはこういうことか、とため息の出るような光景だった。十一月二十一日、来日中のプーチン・ロシア大統領を招いて都内のホテルで開催された「日露経済協力フォーラム」。大統領が到着する前に「前座」を務めたロシア随行団の経済界代表からは、ロシア・ビジネスへの「誘い文句」のオンパレードだった。「ロシアで採れる液化天然ガス(LNG)などへの日本の需要が大きいことは知っている。今後、日本側との対話の材料になろう」(天然ガス最大手ガスプロムのミレル社長)。「アジアは未来につながる有望な販売先だ」(石油大手ロスネフチのボグダンチコフ社長)。必死でメモを取る日本企業の参加者の姿が目立った。
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