先週ルイジアナ州ニューオーリンズで開催された南部政治学会(Southern Political Science Association)で、筆者は「比較権威主義体制」(comparative authoritarianism)をテーマに3つの分科会を企画した。米国内外から集まった12人の政治学者が、「権威主義」と一括りにされる、民主主義でない政治体制をめぐって終日活発な議論を交わすことになった。日本から周りを見渡せば、中国も北朝鮮も民主主義でない政治体制であるから、しばしば「独裁」ともよばれる権威主義体制の下での政治のあり方を考えることは日本人にとっても意味のあることではないかと思われる。そこで、3回にわたって権威主義体制下のリーダー、つまり「独裁者」の政治について、彼らのジレンマに焦点を当てて考えてみたい。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン