インテリジェンス・ナウ

消えない「対イラン先制攻撃」の動き 反撃は「ホルムズ海峡封鎖」か

執筆者:春名幹男 2006年5月号
エリア: 中東 北米

 いつも歯に衣着せぬ発言をするラムズフェルド米国防長官が、三月二十三日の記者会見では超慎重だった。 国防総省詰め記者から「イラン(対策)は米国の長期的な対テロ戦争の一環か」と質問されたが、長官は口が重く、「イランの問題は国務省と大統領に任せようと思う」と逃げた。 イラン核問題の主管官庁は形式的には国務省だ。そして、ライス国務長官は「イランはイラクと違う」などと繰り返し、「外交的解決」を強調している。クリントン前政権の国務次官補でブッシュ政権にも知己の多いアインホーン戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問も「対イラン先制攻撃はイスラム社会の反発を招く」と軍事作戦に反対だ。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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