5月7日、タイの憲法裁判所が、3年前の政府高官人事に関して公務員人事への不当介入を禁じた憲法に違反したと判断したことから、インラック首相に加え、同人事に直接関与したとされる9人の閣僚が失職した。インラック政権は首相代行を立て、7月後半に予定されている総選挙に持ち込むことで態勢の挽回を目指す姿勢だが、情況は極めて厳しい。
苦境に陥ったインラック前首相に追い討ちをかけるのが、国家汚職防止取締委員会の動きだろう。8日、同委員会は、インラック政権が政策の柱であり農民対策の要と定めて進めて来た農民からのモミの買い上げ制度に関し、(1)職務怠慢、(2)汚職、(3)国家財政に損失を与えた――等を理由に、上院に対して弾劾請求することを決定した。
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