ギニア、シエラレオネ、リベリアの西アフリカ3カ国で感染が拡大しているエボラ出血熱は、本稿の執筆時点で死者が1000人を超え、感染疑いも含めた感染者数は2000人を超えた。現地で治療にあたる「国境なき医師団」は、流行の終息には最低でもあと6カ月はかかるとの見通しを示している。1976年にエボラ出血熱のヒトへの感染が確認されて以降、最大規模の流行である。
航空機によって世界が結ばれている今日、遠く西アフリカで流行している劇症の感染症が、日本を含む世界の先進地域に上陸する可能性はゼロではない。しかし、仮に先進地域で1人でも感染者が確認されれば、患者の隔離と感染経路の追跡が徹底され、ましてや世界に類を見ない潔癖症社会の日本ならば、手洗いうがいの励行がそれこそ国を挙げて行われるだろう。こうして感染は、ひとまず封じ込められるに違いない。
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