インテリジェンス・ナウ

情報筋で流れたテポドン撃墜説の検証

執筆者:春名幹男 2006年9月号
エリア: 北米 アジア

「北朝鮮のテポドン2号は発射失敗ではなく、本当は米国のミサイル防衛で撃ち落とされた」 七月五日北朝鮮がミサイルを連続発射した直後、一部情報関係者の間でそんな噂が流れた。 五月中旬に「北朝鮮がテポドン2号発射準備」と伝えられて以降、米国防総省や各情報機関の動きは急を告げた。 六月二十三日にはハワイ沖で、米海軍イージス巡洋艦シャイローや海上自衛隊イージス護衛艦「きりしま」が参加して海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の迎撃実験に成功した。 同日の記者会見で、オベリング米国防総省ミサイル防衛局長は「地上配備の迎撃ミサイルはテポドン2号を迎撃できるか」と聞かれ、「私は強く確信している」と断言。さらに、ラムズフェルド国防長官は、ブッシュ大統領はテポドン2号迎撃指令を出すか、との質問に対し「それは状況次第だ」と答えた。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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