クリミア半島の帰属を問うた3月の住民投票で、ロシア併合への賛成が96%を超えたのは、すでにお伝えした通りである。この数値が現実を反映していると思う人はまさかいないだろうが、数字自体は案外、フェイクでも何でもないかもしれない。要するに、併合に反対する人は投票に行かなかったからだ。賛成の人ばかり投票したのだから、このようなパーセンテージになるのも当然だ。
では、実際にクリミア半島の住人のどれほどがロシア併合に賛成し、どれほどが反対しているのか。これは、難しい問いかけだ。世論調査はないし、したところで市民が本音を言う とは思えない。

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