「踏絵」。江戸時代、隠れキリシタンを見つけ出すために聖母マリア像、キリスト十字架像などを刻んだ銅板や真鍮板を足で踏ませた。この古い言葉が、いま、自民党を震撼させている。言い出しっぺは中川秀直幹事長。郵政民営化法案に反対して自民党を離れた「造反組」の復党問題に関して「踏絵を踏んでもらう」と発言したことから、歴史上の言葉が、にわかに流行語のようになった。 現代版「踏絵」とは「郵政民営化に反対していないかどうか」「国会での首相指名選挙で安倍晋三に投票したかどうか」である。このことを基準にして復党を実現させるはずだったが、造反組の選挙区に「刺客」を送った張本人である小泉純一郎前首相、武部勤前幹事長、それに「刺客」として立候補し衆議院議員になったいわゆる「小泉チルドレン」らが反対しているため、話は一段と複雑になってきている。

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