饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏 (108)

米露が密かに取り引きしたトランジットの“朝食外交”

執筆者:西川恵 2007年1月号
エリア: 北米 ヨーロッパ

 ブッシュ米大統領夫妻を乗せた専用機エアフォースワンは、十一月十五日、ベトナムのハノイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に向かう途中、モスクワのブヌコボ空港に給油で立ち寄った。わずか一時間十五分だったが、モスクワ空港でプーチン・ロシア大統領夫妻の丁重なもてなしを受けた。 当初、米大統領夫妻は機内から出る予定はなく、米側は「特別のプロトコール(儀典)は必要ない。軽食だけ差し入れてほしい」とロシア側に申し入れ、ロシア風パンケーキ「ブリニ」に、キャビアやイクラ、サワークリームを挟んだものを注文していた。

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執筆者プロフィール
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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