「近代」を考えなおすための「保守」という思想

執筆者:会田弘継 2007年1月号
エリア: 北米

「日が暮れるまでには、着けると思うのですが」。どこまでも続く深い森。その中を突き抜ける、がらんとしたアスファルトの州道。道路脇のガソリンスタンドから電話を入れた。 まだ携帯電話も普及していない一九九一年七月初めのことだ。アメリカ・ミシガン州の深奥部。深い緑の木々の上を見上げると、空は抜けるように青かった。向かうのは、メコスタ村。現代アメリカ思想について考え出すまで、見たことも聞いたこともない地名であった。その名が「聖地」のような響きをある人々に与え、そこに住む一老人が「メコスタの賢人」と呼ばれていることも、つい数カ月前にはまったく知らなかった。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
会田弘継 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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