1月からブルガリアとルーマニアが欧州連合(EU)に加盟し、EUは計27カ国、総人口が5億人に近づく巨大組織に膨れ上がった。しかし、世論調査では域内市民の過半数は拡大に恐れや不満を抱いているという。フランスやオランダが国民投票でEU憲法条約の批准を否決したのは、新規加盟国から大量の移民が職を求めて流入することへの不満があるためだ。 トルコの加盟見通しは立たず、バルカン諸国の加盟も凍結。ウクライナなど旧ソ連諸国は事実上拒否されるなど「拡大疲れ」がみられる。欧州統合が打ち止めとなる中で、伝統的な加盟国間の不和や官僚主義も増幅してきた。
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