二月五日夜、日本航空社長の西松遥(五九)は民放各社の報道番組を行脚していた。瀕死のJALの浮沈をかけた中期経営計画「再生中期プラン」の発表を翌日に控え、世間へのアピールを狙ったのか。チャンネルを変えながら西松の“決意”に耳を傾けていた日航の元幹部は「過剰演出に見えるが、世論を味方につけないとならないくらい社内の抵抗が激しいのさ」と漏らした。 西松は昨年六月にお家騒動の後始末で社長に選ばれた。社内基盤が強いわけでもない財務の専門家にリーダーシップを求めるのは所詮無理なのかもしれないが、それにしても六日に発表された計画は期待外れだった。社用車や役員室を廃止しても焼け石に水。“とっておきの秘策”が社長自らの六〇%給与カット(一年間)ではお話にならない。
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