2月10日に「開発協力大綱」が閣議決定された。これは前々身の「ODA(政府開発援助)大綱」(1992年)、前身の「新ODA大綱」(2003年)同様、日本政府が援助政策を実施する際の理念と方針を定めた文書だ。前身の新ODA大綱については、以前拙著(『アフリカ問題:開発と援助の世界史』日本評論社)で論じたことがあるが、あらためて少々大胆に要約すると、当時日本に流通していた援助に関する諸意見を万遍なく拾い、当たり障りないように纏めてあるというところではなかろうか。大綱は法律ではないから、枠組みを決めてそれ以外を排除するのが目的ではなく、どこまで取り込むか、そのための窓の大きさを示すのが役割だ。
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