四月二十三日、デイヴィッド・ハルバースタムが世を去った。サンフランシスコ近郊での交通事故死だった。その前日、ハルバースタムは親しい友人たちと夕食をともにしていた。招待者だったカリフォルニア大学バークレー校大学院ジャーナリズム学部のシェル学部長によれば、会話は夜半にまで及び、話題の中心は、ベトナム戦争と現在のイラク戦争との共通点だったという。出席者全員の意見が一致したのは、アメリカがベトナム戦争にのめり込んでいった経緯を描いたハルバースタムの“年代記”は、いまなお見事に今日的な意義をもつという点だった。
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