日本の北の端、宗谷岬からオホーツク海沿いを車で南下すること約四十分。携帯電話の電波も途切れがちな辺境に「ホタテの村」がある。 三千人に満たない人口ながら、ホタテの水揚げ量で日本一を誇る北海道猿払村。その村を支えているのが、中国からやって来た約百人の若い女性たちだ。 海産物の生臭さと潮の匂いが立ち込める作業場に、手の平大のホタテの貝殻がぶつかり合う音が大きく響く。そんなホタテの加工場で、中国・山東省出身の劉暁玲さん(二三)は働いている。「猿払村に着いたときは、ちょっと田舎でびっくりしました。でも、今は大好きです」

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