“勝った”からこそ険しい小沢民主党の前途

執筆者: 2007年9月号
エリア: アジア

明らかに党内には“世代間分裂”が拡がりつつある。「選挙に勝つためのなりふり構わぬ姿勢」が続けば、政権交代など遠ざかるばかりだ。 参議院選で大勝した民主党の小沢一郎代表が、最終目標である自民党からの政権奪取に向けて攻撃姿勢を強めている。政権を奪うためには、安倍晋三首相を衆議院解散・総選挙に追い込んで、衆院選でも自民党に勝利することが不可欠。そこで、攻撃の手を緩めないことが肝心だとばかりに、テロ対策特別措置法の延長問題など、手当たりしだいに自民党に噛みついている。 だが、実際には、小沢氏周辺が考えるほど民主党の前途は平坦ではない。その理由のひとつは、小沢氏の党内基盤がさほど盤石ではないこと。もうひとつは、選挙戦を有利に戦うために無理して打ち出してきた政策のツケを、いずれ払わざるを得なくなるからだ。

カテゴリ: 政治
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