金正日は、いつもジャンパーを着ている。キューバのフィデル・カストロ議長は、ずっと戦闘服で通してきた。中国の指導者さえ近頃は、背広にネクタイを締めることにより、世間の常識に一応の敬意を払うようになっている。そういう世界の中で、金とカストロだけは「俺は違うんだぞ」と、突っ張ってきた。ま、どんな教室にも、そういうヤツはいたなあと思い出す。 カストロは齢八十一に達して国家元首の職から引退すると発表した。それを、共産党機関紙へのメッセージという形で言った。しかし辞意なら、国営テレビ幹部に宛てた昨年末の書簡の中で、すでに言っている。
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