80時間世界一周 (54)

カリブ海の国ハイチを選んだ007映画「舞台設定」の妙

執筆者:竹田いさみ 2009年2月号
タグ: イタリア
エリア: 中南米

 アクションシーン満載の007映画最新作「慰めの報酬」では、カリブ海の島国ハイチが登場する。ダニエル・クレイグ扮する英国諜報部員ジェームズ・ボンドが、ハイチの市街や風光明媚なハーバーで南米を拠点とする“闇の組織”と対決する場面に、観客の目は釘付けとなる。 今回の物語は、南米ボリビアの元独裁者と結託した悪の組織が、水などの天然資源をコントロールして世界市場を大混乱に陥れる陰謀を企んでいるとの設定。それを阻止するために、ボンドが縦横無尽に活躍する。旧来の“ボンド・ガール”とは異なり、ウクライナ出身の女優オルガ・キュリレンコが“闇の組織”に立ち向かう戦士として描かれ、本格的なスパイアクション映画に仕上がっている。

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執筆者プロフィール
竹田いさみ(たけだいさみ) 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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