自民党の「ゴルバチョフ」に?

執筆者:名越健郎 2009年3月号
エリア: アジア

 感動的な就任演説で一躍世界のスーパースターとなったオバマ米大統領の就任後、麻生首相は「大統領が誰になっても、日米関係は変わらない」と発言した。 作家の曽野綾子さんは産経新聞のコラムで書いた。「この粗雑な感覚で発せられた一言は、日米関係の温度を何度かは確実に冷やしたと思う。総理は『オバマ氏の若い力の登場を心から祝福したい。日米両国は力を出し合ってこの難局を乗り切ろう』と言うべきだった」。 日本外務省の振り付けのまずさもあるが、日米首脳のレトリック能力の差は大きい。演説で国民を奮わせる大統領と、漢字の読み違いで国民に笑われる総理。「麻生・オバマ比較論」が日本の若者のブログで飛び交っている。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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