行き先のない旅
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神父か、はたまたカサノヴァか イタリア首相に見る「お国柄」
「蓼食う虫も好き好き」というが、欧州各国のリーダーの顔ぶれを見ると、お国柄を反映して人気のある政治家のタイプがあまりにも違うことに驚かされる。その中で、何と言っても国際社会きってのお騒がせ男、シルヴィオ・ベルルスコーニ伊首相の存在は、外国人にとっては、ミステリー以外の何ものでもない。 ベルルスコーニ首相は、人気サッカーチームACミランのオーナーであり、イタリアのメディアの七割をコントロールするともいわれるメディア王で大富豪。私がミラノに住んでいた一九九四年に政界入りしたが、その時にはあまり長続きするとは思われていなかった。

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