第五次「製造業海外流出」をどう生かすか

執筆者:新田賢吾 2010年1月号

国内需要の長期的減退に温暖化対策、円高が追い打ちをかける。これからの製造業のあるべき姿とは――。 日本の製造業の海外流出が再び加速している。工業製品に対する国内の需要は二〇〇八年九月のリーマン・ショックを機に三〇%以上も急減し、「需要の瞬間蒸発」を起こしたが、その衝撃が過ぎた後も回復の兆しが見えない。その一方で、中国、インド、ブラジルなど新興国のモノの需要は、いち早く回復し、勢いよく拡大しているからだ。自動車、エレクトロニクスから鉄鋼など素材まで、日本の製造業は成長を求めて新興国、途上国への流出を進めており、日本は空洞化を防ぐための産業戦略の再構築を求められている。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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