堕ちゆく世界の迷走 (3)

「総辞職か解散か」という末期症状

執筆者:青柳尚志 2010年11月22日
エリア: アジア
行き詰まる菅政権(c)時事
行き詰まる菅政権(c)時事

 政権の末期症状とはこのことだろう。外交の錐揉み、次々と漏れ出す機密、閣僚の相次ぐ失言と失態。菅政権は底割れ状態に陥った。このままでは2011年度の予算関連法案の成立も覚束ず、総辞職も視野に入ってきた。泥沼の党内抗争の末に分裂となるか、政界再編成となるか、はたまた自民・民主の大連立になるか。政局の視界がゼロになるなか、経済の重要案件はすべてストップする。 「国会答弁はふたつ覚えておけばよい」と法相がいえば、「自衛隊は暴力装置」と官房長官がいう。失言のオンパレードに菅政権は立ち往生している。これらの発言は、単に口が滑ったという以上に、深刻な影響を民主党に及ぼす。法相発言は支持者の前で「ここでは国会答弁のようないい加減なことは言わない」といった往時の自民党政権の建設相と同じだ。

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