インテリジェンス・ナウ

ノルウェーが設置した宇宙ゴミレーダーの正体

執筆者:春名幹男 2000年3月号
タグ: 宇宙
エリア: ヨーロッパ その他

 二年前の一九九八年三月二十四日、ノルウェー国防最高司令部が新聞発表を行なった。
「バルデ(ノルウェー北端)にグローブス2レーダーを設置する。人工衛星と“宇宙のゴミ”を監視するのが任務。これによって、ノルウェー情報当局の能力を強化する」

 オスロの有力紙アフテンポステンはそんな簡単な内容を米航空宇宙局(NASA)提供の“宇宙ゴミ”イラストとともに掲載した。

 世間はあまり注目しなかったが、ノルウェー第二の都市ベルゲンのティデンデ紙の科学担当、インゲ・セレボーグ記者は気になり、フォロー取材に乗り出した。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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