構造改善局を舞台にした汚職事件により、相次いで逮捕者を出した農林水産省。事件の背景には、農業土木技官たちが同局内につくりあげた「独立王国」が見え隠れする。 連休明けの五月上旬、霞が関の農林水産省本館を取材で訪れた。以前は全国各地からの陳情客で賑わっていた同省だったが、いまはそれらしき人影はほとんど見あたらない。 今年三月、農水省は構造改善局の農業構造改善事業に関係する汚職事件で、法文系キャリア官僚(北海道農政部次長に出向中)とノンキャリア技官(元構造改善局地域振興課課長補佐)の二人の逮捕者を出した。また、それ以前の一月には本田浩次畜産局長と構造改善局の農業土木系技官グループの頂点に立つ森田昌史同局次長の幹部二人が辞職している。

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