中道右派の改革路線が生んだ欧州の新たな成功モデル
[マドリッド発]一九七〇年代まで、欧州の人々にとってスペインは「ピレネーの向こう側」だった。実際、スペイン国民自身が、国境を越えてフランスに出かける時、「ヨーロッパに出かける」と言ったものである。歴史に輝かしい大航海時代を持ち、広大な国土と温暖な気候に恵まれながらも、長い経済停滞と外交的孤立が続いたこの国は、欧州の人々にとってすら「闘牛とフラメンコの国」に他ならなかった。しかしそのスペインが、欧州の政治・経済・社会をかき回し始めている。
企業のめざましい国際展開
「私がイメージしていた新内閣が出来て満足。新しいスペインの始まりだ」――四月二十七日、ホセ・マリア・アスナール首相は、組閣後、満面に笑みをたたえながらこう語った。
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