アメリカの「NMD」志向は孤立主義的「ユートピア意識」
アメリカが推進しようとしているNMD(米本土ミサイル防衛)構想に対し、反対の大合唱が国際的に巻き起こっている。今後しばらくの間、NMDを巡る対立・摩擦が、国際政治上の最大の問題であり続けるのは間違いないだろう。 NMDの対象国というべきロシア、中国、北朝鮮が共同して反対の声を上げるのは当然としても、NATO(北大西洋条約機構)の同盟国たるフランスやドイツもNMD配備に懸念を表明。国連のアナン事務総長も公式に批判した。さらに、これまで安全保障に関しては常にアメリカと歩調を合わせてきたイギリスでも、議会下院の外交委員会がNMDに反対する報告書を政府に提出するという動きが起こっている。主要国で沈黙を守っているのは日本ぐらいだ。
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