六月末の衆院選で、民主党は公示前から議席を三十以上伸ばし、百二十七議席を獲得。「大躍進」などと評した新聞も多かった。しかしながら、「勝者なき選挙でしたね」と振り返るのは、当の民主党の樽床伸二議員だ。「多くの国民が社会の変化を認識している中、今までのやり方ではうまくゆかない、過去とは決別しますとはっきり示さないと、どこも選挙に勝てなくなっている。でも、そんな政党はなかった。我が党も、右から左までの寄せ集めとよく言われるけれども、十年前に終焉したイデオロギーの座標軸で依然測られていること自体、過去を払拭したとは見られていない証拠です。

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