「フェニックスプラン」は問題先送りに過ぎない ダイエーが十一月二十四日に発表した修正再生三カ年計画(フェニックスプラン)は、多くの関係者にとって意外な内容になった。これまで最も重要なポイントだった有利子負債の圧縮計画が見当たらないのだ。代わりに住友、三和、東海、富士銀行のメーン四行が各三百億円の増資に応じ、加えて五千億円のコミットメントラインまで設定されていたのである。 増資方法は、議決権のない優先株をダイエーから取得するもの。コミットメントラインとは、一定の手数料を払うことで決められた枠内の融資を保証する取り決めだ。「世間からは『盗人に追い銭』と見られかねないですね」と、メーン行の中堅幹部は苦笑する。確かに、ここ数カ月のダイエーは、傍目には理解しがたい迷走を続けていた。

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