日本とロシアの平和条約交渉と北方領土問題をめぐり、外務省内のロシアン・スクール同士の争いが熾烈を極めている。先月三十日にモスクワで行なわれた東郷和彦欧亜局長(四十三年)とロシュコフ外務次官との事務折衝で、一九五六年の日ソ共同宣言で平和条約締結後の歯舞、色丹両島の引き渡しを約束した規定について両国の解釈に大きな齟齬があることが判明した。ロシア側は今回改めて「二島返還で領土問題を最終決着させるという規定だった」との解釈に立っていることを伝えた。日本側の「残る国後、択捉両島の帰属をめぐる交渉も継続することが合意されている」との解釈を全否定したのだ。
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