ワヒド大統領の「寛容さ」が、抑圧されてきたイスラムのエネルギーを噴出させた[ジャカルタ発]インドネシアのワヒド大統領が就任以来、最大の危機に直面している。二月一日、国会が二つの不正資金疑惑――食糧調達庁の福祉財団から三百五十億ルピア(約四億二千万円)が大統領の名の下で引き出された件と、ブルネイ国王からアチェ特別州の人道援助の名目で受け取った二百万米ドルの不透明な寄付――について、大統領の関与を結論付けた調査特別委員会の報告書を圧倒的多数で承認、大統領に警告書を送ったことが引き金となった。大統領が警告書の内容を無視し続けると、大統領の任免権を持つ国民協議会が特別会を開き、弾劾に及ぶ可能性がある。
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