さらに加速する「空洞化」と「巨人一人勝ち」 まさに内憂外患、日本のプロ野球の前途は危うしだ。メジャーのオープン戦デビューを初打席初安打で飾ったマリナーズ・イチロー(前オリックス)が日本国内の「空洞化」を象徴するなら、巨人戦テレビ視聴率の伸び悩みは「一極集中」の球界の限界を暗示している。崩壊のきしみが、あちこちから聞こえはじめてきた。「こっちは野球の話をしているのに向こうは法律の話。これではかみ合うわけがない」 ある球団の代表は代理人相手の交渉にほとほと疲れた様子だった。二〇〇〇年のオフから“解禁”された代理人による契約更改交渉は、これまでベールに包まれてきた査定を白日の下にさらけだすはずだった。しかし、どうも選手・球団双方にとって実りある議論はなされなかったようで、結局は日本的な妥協に終わった感じが否めない。
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