国際論壇レビュー

米中軍用機衝突事件がもたらした「新冷戦時代の予兆」

執筆者:田中明彦 2001年4月号

 南シナ海でおきた米軍偵察機と中国軍戦闘機との空中衝突事故は、米中関係がいかに不安定な基礎の上にのっているかを再認識させた。一方、政権発足後二カ月にして、ブッシュ政権はそれ以外のいくつかの政策を公表している。その一つが、地球温暖化を防止するための重要な国際取り決めである京都議定書からの離脱の発表である。この一年間、どちらかといえば国際関係は平穏に推移してきたが、それが緊張状態に転ずる兆しが見えたのが、この一カ月だったのかもしれない。さらに、レームダック状態の森喜朗首相の訪米と関連して、日本についての議論も散見された。

カテゴリ:
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
田中明彦(たなかあきひこ) 1954年、埼玉県生まれ。東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了(Ph.D. 政治学)。東京大学東洋文化研究所教授、東京大学副学長、国際協力機構(JICA)理事長、政策研究大学院大学学長、三極委員会アジア太平洋地域議長などを経て、2022年4月より再び国際協力機構(JICA)理事長に就任。著書に『新しい「中世」―21世紀の世界システム』(サントリー学芸賞受賞)、『ワード・ポリティクス―グローバリゼーションの中の日本外交』(読売・吉野作造賞)、『アジアのなかの日本』、『ポスト・クライシスの世界―新多極時代を動かすパワー原理』など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top