インテリジェンス・ナウ

悲劇のハク元司令官 CIAとの連携説は誤報

 米カリフォルニア州ヘイワードのモスクで十一月四日、イスラム教の形式に則って厳粛に、反タリバン勢力の有力指導者、アブドル・ハク元司令官(四三)の葬儀が執り行なわれた。 喪主はアブドル・マジード・アルサラ君(一六)。同州ユニオンシティの高校二年生。十月二十六日、アフガニスタンの首都カブール郊外のタリバン基地、リシコルで処刑された、ハク氏の長男である。 約百人の参列者を前に、マジード君は「祖国が私を必要とするなら、私だって戦う」と男らしく語った。母も弟も刺客に暗殺され、アメリカに渡り、いとこたちと暮らしていたが、今度は父も失った。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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