三洋電機が中国最大の総合家電メーカー、海爾集団(山東省青島)と家電品の相互供給・販売で包括提携し、日本の業界に衝撃を与えている。低コストが武器の中国メーカーから冷蔵庫、洗濯機などの白物家電でOEM供給(相手先=この場合三洋=ブランドによる販売)を受ける構想は各社にあったが、顧客の拒否反応を警戒して目立たない形で進めようとしていた。「海爾ブランドそのものはまだ日本市場で通用しにくいが、これで家電製品の値崩れは一段と進む」と関係者はみる。 三洋はとりあえず、OEM供給分の販売増や部品供給の拡大を期待できるものの、国内では低価格メーカーに位置しているだけに、数年後には自らの国内シェアを海爾に奪われる恐れがある。また、三洋が海爾に「洗剤不要洗濯機」など高付加価値製品を中国向けにOEM供給すれば、今度は「日本メーカー全体が中国市場で生き残れる分野がなくなる」(メーカー関係者)。
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