四十年間、世界のファッションをリードし続けたフランスの有名デザイナー、イヴ・サンローラン氏(六五)が一月、ファッション界から引退した。デザイナー人生の終幕はオートクチュール(高級注文服)のショーだった。パリでだけ認定される服飾の最高峰、オートクチュールを基盤に築きあげられたブランド、イヴ・サンローラン。だが今やその経営権は、多くの高級ブランド同様にフランスの流通王が手中に握る。仏フランの退場に伴われて先駆者が表舞台を去り、ユーロ通貨の登場とともに新たなファッションビジネスの地殻変動が始まった。
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