【ナゴルノ・カラバフ戦争の「教訓」】ドローンはゲーム・チェンジャーか

執筆者:小泉悠 2020年12月29日
アゼルバイジャンが購入したトルコ製ドローン「バイラクタルTB2」(C)AFP=時事

 

 

11月10日、ナゴルノ・カラバフ地方を巡るアルメニアとアゼルバイジャンの戦争が停戦を迎えた。9月27日の戦争勃発から数えて約1カ月半後の停戦であり、しかも、それはアゼルバイジャンの圧倒的な勝利によるものであった。

アルメニアに極めて過酷な停戦合意

 戦争の後半、アゼルバイジャン軍はナゴルノ・カラバフ南方の平野部でアルメニア軍に壊滅的な打撃を与え、占領されていた村落を次々と奪還していった。決定的であったのは、11月9日にアゼルバイジャン軍がシュシャを占拠したことであろう。

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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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