格下げ、デフレ、発行増、外国人の売り――市場はすでに日本国債の暴落を意識している。買い手不在の中、自民党の一部から「究極の手段」を検討せよとの声が出始めた。経済のモラルハザードはどこまで進むのか。 日本の国債が追い込まれている。米格付け会社が日本国債の「シングルA」格への格下げを宣告、日本にはチリ、ハンガリー並みの信用力しかないと見なしたことで、見切りをつけた外国人投資家が国債を手放し始めた。 最大の買い手である銀行は、大手四行だけですでに約三十六兆円分もの国債を保有し、これ以上の買い増しは難しい。それでも財政出動への期待感は高まるばかりで、小泉改革が掲げる国債三十兆円枠の維持は風前の灯だ。格下げ、買い手不在、発行増など国債相場を取り巻く環境は悪化の一方である。
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