インテリジェンス・ナウ

北朝鮮反体制派を支援する米国民間基金の狙い

 今年二月九、十の二日間、東京・水道橋で「第三回北朝鮮の人権と難民問題国際会議」が開かれた。「拉致被害者の救出を!」「北朝鮮の人々に人権の光を!」をスローガンにした民間の国際会議である。 呼びかけ人の筆頭には「『北朝鮮による拉致』被害者家族連絡会」の横田滋代表。ほかに、『北朝鮮を知りすぎた医者』の著者、ノルベルト・フォラツェン氏も呼びかけ人となった。三月、一挙に二十五人もの北朝鮮市民を在北京スペイン大使館経由で韓国に亡命させることに成功した、あのドイツ人医師である。 共催団体は韓国にある「北韓人権市民連合」と国際会議を取り仕切った日本実行委員会。北朝鮮に拉致されたとみられる家族の帰還を求めて闘う家族や、圧政下の北朝鮮の人権問題を追及する市民グループを集めた恒例の会議ともみられた。

カテゴリ:
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top