サッカーW杯の放映権を握るドイツのメディア大手キルヒが破綻したが、その陰には今秋の総選挙で再選を狙うシュレーダー首相の政治的思惑がちらついている。 ベルリンの消息筋によると、キルヒの創業者レオ・キルヒ氏は、バイエルン州首相で最大野党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)の首相候補でもあるシュトイバーCSU党首と長年にわたり親密な関係にある。しかも、シュトイバー氏はキルヒの最大債権銀行、バイエルン州立銀行の事実上の経営責任者。「キルヒ氏とシュトイバー氏の二人三脚で巨大メディア企業が育成された」というのが専らの見方。

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