小泉首相の初の公式訪中は、日中国交正常化三十周年当日の九月二十九日を軸に最終調整に入った。人民大会堂での記念行事には当初、橋本龍太郎元首相を団長とする与党三党の代表団が参加する予定だった。しかし橋本氏が病気で訪中が困難になったため、十月初旬に予定されていた小泉首相の訪中が前倒しとなる。 小泉首相は就任後三回訪中しているが、いずれも非公式。江沢民指導部内には対日関係の悪化に歯止めをかけるため、三十周年の機会をフルに活用すべきとの意見も根強い。九八年の訪日で失敗した江総書記は、小泉首相の公式訪中を受け、十月中に訪日して失点を挽回する腹づもりだった。
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